2017年10月19日

山口冨士夫/ひまつぶし (1974)

1960年代後半〜1970年代前半にGSバンドのザ・ダイナマイツ、ロックバンドの村八分のメンバーとして活動していた、日本のロックの創生期の重要人物、山口冨士夫が村八分解散後にリリースした1stソロアルバム。ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の影響が色濃いロックンロール、ブルース、フォーク風の曲など、山口のギターとヴォーカルを中心とする佳曲多数。歌詞は英詞の「CAN NOT WAIT」以外は日本語。「おさらば」は乾いた叙情性を湛えたカントリー・フォーク風の印象的な曲。ライヴ音源3曲と未発表デモ3曲を含むリマスタリング盤が2014年に発売されている

Himatsubushi

2017年10月13日

Vince Guaraldi Trio/A Boy Named Charlie Brown (1964)

ヴィンス・ガラルディ・トリオ/ア・ボーイ・ネームド・チャーリー・ブラウン

チャールズ・M・シュルツの漫画が原作のTVアニメ特番「ピーナッツ」の音楽作曲で知られるアメリカ合衆国のジャズ・ピアニスト、ヴィンス・ガラルディが、チャールズ・M・シュルツと「ピーナッツ」に関する、アニメパートを含むTVドキュメンタリー番組「A Boy Named Charlie Brown」(1963年。TV未放映)のためにピアノ・トリオとして録音したサウンドトラック。ガラルディによる「ピーナッツ」のサウンドトラックとしては最初のもの。オリジナルのタイトルは「Jazz Impressions of a Boy Named Charlie Brown」。1950年代のウエストコースト・ジャズの流れを汲むポップ志向のジャズ・アルバムで、軽快にスウィングするリズムとシンプルで叙情的なメロディーのキャッチーな楽曲を含む。「Linus and Lucy」(ライナス・アンド・ルーシー)はガラルディの最も有名な曲の一つで、「ピーナッツ」のTVアニメ特番で何度も使用され、「ピーナッツ」の事実上のテーマソングとなった。ガラルディによる「ピーナッツ」の音楽は1960年代中盤以降に多くの子どもたちやその家族層にジャズを紹介し、ジャズの大衆化に貢献した

A Boy Named Charlie Brown

2017年10月05日

The Band/The Band (1969)

ザ・バンド/ザ・バンド

1968年にカナダのオンタリオ州トロントで結成されたロックバンド、ザ・バンド(The Band)の2ndアルバム(全米アルバムチャート9位)。「The Brown Album」とも呼ばれている。アメリカのルーツ・ミュージック(フォーク、ブルース、カントリー)をベースにしたロックバンドとしての独自のスタイルを確立した、ルーツ・ロックの傑作。19世紀の南部アメリカをテーマにしたコンセプト・アルバム。楽曲はすべてオリジナルで、ロビー・ロバートソン(guitar)がソングライティングの中心。シングル曲、「Up on Cripple Creek/The Night They Drove Old Dixie Down」、「Rag Mama Rag」収録。美しいバラードの「Whispering Pines」やソウルフルな「The Unfaithful Servant」など名曲多数。プロデュースはジョン・サイモン

The Band

2017年09月29日

Thelonious Monk Quartet with John Coltrane at Carnegie Hall (1957/2005) *

ジョン・コルトレーン参加時のセロニアス・モンク・クァルテットによるライヴ・アルバム(Blue Note)。1957年11月29日、ニューヨークのカーネギー・ホールでの録音。アメリカの短波放送ヴォイス・オブ・アメリカが録音したテープが2005年に米国議会図書館で発見され、CDで発売された。モノラルだが音質はかなり良好。他の録音では聴くことができない貴重なライヴ録音であり歴史的な記録。独特の風変わりなスタイルを確立した全盛期のモンク(piano)と、「シーツ・オブ・サウンド」と呼ばれた独自の高速即興演奏のスタイルに移行しつつあったトレーン(tenor saxophone)の絡みがクリアな音で聴ける。「Monk's Mood」、「Evidence」、「Epistrophy」、「Blue Monk」などのモンクのオリジナル曲が中心

Thelonious Monk Quartet with John Coltrane at Carnegie Hall

2017年09月20日

B12/Electro-Soma (1993) *

B12/エレクトロ・ソーマ

マイク・ゴールディング(mixing)とスティーヴ・ラッター(mixing)によるイギリスのエレクトロニック・ミュージック・デュオ、B12の1stアルバム。ワープ・レコーズの「アーティフィシャル・インテリジェンス」シリーズの一つとしてリリースされた。1991-1993年の別名のミュージコロジー(Musicology)、レッドセル(Redcell)、Cメトリック(Cmetric)名義での既発表曲を含む編集盤。デトロイト・テクノの影響が強いインテリジェント・ダンス・ミュージック(IDM)、アンビエント・テクノの名盤。ローランドのデジタルシンセのJD-800等を駆使したテクノで、リズムトラックはデトロイト・テクノ風だが、美しいシンセストリングスを多用したエモーショナルでメロディックな楽曲が多い。クラブよりも自宅でのリスニングに適した音。SFにインスパイアされた、宇宙や未来を想起させる空想的な世界観。レアトラック集「Electro-Soma II」を含むCD2枚組のリマスター版が2017年にワープからリリースされている

Electro-Soma

2017年09月15日

Led Zeppelin/Led Zeppelin IV (1971)

レッド・ツェッペリン/レッド・ツェッペリン IV

1968年にロンドンで結成されたイギリスのロックバンド、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の4作目のスタジオ録音アルバム(全英アルバムチャート1位。全米2位)。アルバム・ジャケットにはタイトルもアーティスト名もないため、便宜的に「Led Zeppelin IV」と呼ばれることが多い。レッド・ツェッペリンの作品中最も売れたアルバム。ブリティッシュ・トラディショナル・フォークのようなアコースティック・サウンドとヘヴィメタルを融合させ、1970年代のハードロックに多大な影響を与えた。プロデュースはジミー・ペイジ。「Black Dog」(全米15位)は複雑なギターリフを含むヘヴィメタル曲。マンドリンが印象的な「The Battle of Evermore」は、元フェアポート・コンヴェンション(Fairport Convention)のメンバーでフォーク歌手のサンディ・デニーがヴォーカルで参加したフォーク・バラード。「Stairway to Heaven」は、アコースティック・ギターとリコーダーによる静かなパートからジミー・ペイジの印象的なギターソロとロバート・プラントのシャウト唱法を含む激しいパートへと徐々に盛り上がってゆく、変奏曲のような構成の有名曲。2014年にリマスター版が発売されている

Led Zeppelin IV

2017年09月08日

ムーンライダーズ/ヌーベル・バーグ (1978)

鈴木慶一(vocals, guitar, keyboards)を中心に1975年に結成されたロックバンド、ムーンライダーズの3作目のアルバム。フュージョン〜AOR色を基調にしたヨーロッパ風のドリーミーでモダンなポップ・アルバム。プログレやブリティッシュ・ポップ、特にセイラー(Sailor)やカフェ・ジャックス(Cafe Jacques)などの影響が感じられる。ニュー・ウェイヴに完全に移行する前の初期の傑作。「いとこ同士」は鈴木慶一のヴォーカルと細野晴臣のスティール・ドラム、松武秀樹のプログラミング(ローランドのMC-8)のみで構成される、テクノ黎明期の先駆的な曲。「マイ・ネーム・イズ・ジャック」はジョン・サイモン(John Simon)の曲の日本語詞カヴァー。「トラベシア」はミルトン・ナシメント(Milton Nascimento)の曲の日本語詞カヴァー

ヌーベル・バーグ

2017年09月01日

Brian Eno/Ambient 1: Music for Airports (1978) *

ブライアン・イーノ/アンビエント1/ミュージック・フォー・エアポーツ

環境音楽(アンビエント・ミュージック)の開拓者として知られるイギリスのミュージシャン・作曲家・プロデューサー、ブライアン・イーノ(Brian Eno)の6作目のアルバム。エリック・サティ(Erik Satie)の「家具の音楽」の影響下、アンビエント・ミュージックを開拓したイーノの「アンビエント」シリーズの第1作。ミニマル・ミュージックの手法(反復と漸次的変化)による静謐で心地良い電子音響作品。実際に空港でBGMとして使用されることを目的として作られており、BGMとして流すことも、純粋音楽として鑑賞することも、サウンド・インスタレーションとして体感することもできる。様々な長さのテープ・ループを重ね合わせて作られた4曲で構成されており、「1/1」はピアノ、エレクトリックピアノ、シンセサイザー、「2/1」は女声ヴォーカルとシンセサイザー、「1/2」は女声ヴォーカルとピアノ、「2/2」は
シンセサイザーのみによる曲。元ソフト・マシーンのロバート・ワイアット(piano, composition)、レット・デイヴィス(composition, engineering)、コニー・プランク(engineering)他参加

Ambient 1: Music for Airports

2017年08月25日

Chopin/Nocturnes No.1-16 & 19 (Pollini, 2005)

ロマン派時代のポーランドの作曲家・ピアニスト、フレデリック・ショパンのノクターン(夜想曲)集(Deutsche Grammophon)。マウリツィオ・ポリーニの全曲録音(19曲)から第17番と第18番を除く17曲(第1番〜第16番と第19番)を収録した抜粋版。甘美で感傷的な旋律をたっぷり含んだピアノ独奏曲群。ショパンはこの作品群において、ノクターンの創始者とされるアイルランド出身の作曲家、ジョン・フィールドの様式(アルペッジョの伴奏と歌曲風のメロディー)を継承し、多様な感情表現を含む独自の詩的なピアノ音楽の世界を作り上げた。第2番(Op.9-2)はショパンのノクターンとしては最も有名な曲。第13番(Op.48-1)はショパンの最高傑作の一つと目されるゴージャスで雄大な曲

Nocturnes No.1-16 & 19

2017年08月18日

Etta James/At Last! (1960)

エタ・ジェイムズ/アット・ラスト!

1938年カリフォルニア州ロサンゼルス生まれのアメリカ合衆国のブルース・R&Bシンガー、エタ・ジェイムズ(Etta James)のデビューアルバム。チェス・レコード傘下のレーベル、アーゴからリリース。オーケストラ・アレンジによるポップ志向のアルバム。ブルースやポップなR&Bバラード、ジャズのスタンダード曲などの様々な楽曲が、エタ・ジェイムズのシャウト唱法によるパワフルなヴォーカルとともに堪能できる。全米R&B/ポップチャートにランクインしたヒットシングル4曲、「All I Could Do Was Cry」(全米R&Bチャート2位)、「My Dearest Darling」(全米R&Bチャート5位)、「At Last」(全米R&Bチャート2位。グレン・ミラー・オーケストラ(Glenn Miller and His Orchestra)の1942年のヒット曲をカヴァーしたエタ・ジェイムズの有名曲)、「Trust in Me」(全米R&Bチャート4位。ミルドレッド・ベイリー(Mildred Bailey)の1937年のヒット曲のカヴァー)収録。「I Just Want to Make Love to You」はウィリー・ディクスン(Willie Dixon)作のマディ・ウォーターズ(Muddy Waters)のブルース曲のカヴァー。オリジナルの12インチLPは10曲収録。1999年にボーナス・トラック4曲(ハーヴィー・フークワ(Harvey Fuqua)とのデュエット)を追加収録したデジタル・リマスター版CDが発売されている

At Last!