2018年06月14日

(Various Artists)/Musica Futurista: The Art of Noises (2004)

「未来派の音楽:騒音芸術」。1909-1935年のイタリア未来派運動の音楽と朗読を集めたコンピレーション(LTM)。74分、23トラック。マリネッティ、ルッソロ、バリッラ・プラテッラのオリジナル録音と、未来派の主要な音楽家・理論家たちの作品の現代の演奏を収録。ピアノその他の演奏はダニエレ・ロンバルディ(1978年録音)。マリネッティの自由詩「未来派の定義」「アドリアノープルの戦い」の朗読、プラテッラのピアノ曲、ルッソロの「都市の目覚め」とイントナルモーリ(調律された騒音楽器)のサンプル他。ルッソロの作品は騒音音楽(ノイズ・ミュージック)の先駆けとなり、ストラヴィンスキー、オネゲル、アンタイル、エドガー・ヴァレーズなどに影響を与えた

Musica Futurista: The Art of Noises

2018年06月07日

Bob Marley and the Wailers/Legend (1984/1972-1893)

ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ/レジェンド

ボブ・マーリー(guitar, lead vocals)を中心とするジャマイカのレゲエ・バンド、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(Bob Marley and the Wailers)の編集盤(全英アルバムチャート1位。全米5位)。レゲエのベストセラー・アルバム。オリジナルのLPは14曲収録。2002年のリマスター版はボーナス・トラック2曲を追加収録。歌志向のポップなルーツ・レゲエが堪能できる。ルーツ・レゲエの入門編またはファースト・チョイスに最適。オリジナルのザ・ウェイラーズ(The Wailers)の3曲、「Stir It Up」、「I Shot the Sheriff」、「Get Up, Stand Up」と全英トップ40ヒット10曲、「No Woman, No Cry」(8位)、「Exodus」(14位)、「Waiting in Vain」(27位)、「Jamming」/「Punky Reggae Party」(9位)、「One Love/People Get Ready」(5位)、「Is This Love」(9位)、「Satisfy My Soul」(21位)、「Could You Be Loved」(5位)、「Three Little Birds」(17位)、「Buffalo Soldier」(4位)収録

Legend

2018年06月02日

Klaus Schulze/Moondawn (1976)

クラウス・シュルツェ/ムーンドーン

元タンジェリン・ドリーム(Tangerine Dream)、アシュ・ラ・テンペル(Ash Ra Tempel)のメンバーで、クラウトロックの流れの中で電子音楽を開拓したドイツの作曲家・ミュージシャン、クラウス・シュルツェ(Klaus Schulze)の6作目のアルバム。シンセを駆使したスペイシーでアンビエントな音風景が特徴のいわゆる「ベルリン・スクール」スタイルのエレクトロニック・ミュージックの古典的傑作の1つ。モーグやARP等のシンセと効果音、ドラムによる、耽美的で浪漫的なニューエイジ・ミュージック風の音。再発盤はオリジナル・マスターとリミックス・ヴァージョンの2種類があるので注意が必要

Moondawn

2018年05月26日

Miles Davis/A Tribute to Jack Johnson (1970)

アメリカ合衆国のジャズ・トランペット奏者、マイルス・デイヴィスの1971年のスタジオ録音アルバム。アフリカ系アメリカ人初の世界ヘビー級王者となったアメリカ合衆国のボクサー、ジャック・ジョンソンのドキュメンタリー映画「ジャック・ジョンソン」のサウンドトラックとして発売された。オリジナルのタイトルは「Jack Johnson」。ハードロック、ファンクの影響が色濃いジャズロック・アルバム。ジョン・マクラフリンのエフェクトを効かせたロック寄りのギター、ハービー・ハンコックの電子オルガン、ファンキーなリズム隊を含む。プロデューサーのテオ・マセロが1970年の2月と4月のセッションの録音を編集した2曲の長い曲を収録。「Bitches Brew」や「On the Corner」よりはポップで聴きやすいのでロックファンやフュージョン愛好者向き。「Right Off」はスライ&ザ・ファミリーストーンの「Sing a Simple Song」のリフを含んでいる。「Yesternow」はジェイムズ・ブラウンの「Say It Loud ? I'm Black and I'm Proud」に似たベースラインを含んでいる

A Tribute to Jack Johnson

2018年05月20日

Varèse/Amériques, Arcana, Ionisation (Boulez, 1975/1977) *

フランス生まれでアメリカに帰化した現代音楽の作曲家、エドガー・ヴァレーズの作品集(Sony Music Entertainment)。「アメリカ」はサイレンを含む打楽器群を追加した大規模なオーケストラのための管弦楽曲。不協和音とノイズが印象的で、ストラヴィンスキーの「春の祭典」に似ているが、新世界としての大都会のダイナミズムと喧騒を想起させる。「イオニザシオン(電離)」は13人の演奏者による34の打楽器のためのパーカッション・アンサンブル曲で、イタリア未来派(ルッソロ、マリネッティ)に影響を受けている。「アルカナ」は40の打楽器を含む総勢120人の大規模なオーケストラのための管弦楽曲で、斬新な音響と古典音楽のモティーフを組み合わせた、「組織された音響」としての統一感を持つ作品。ピエール・ブーレーズ指揮、ニューヨーク・フィルハーモニック演奏

Amériques, Arcana, Ionisation

2018年05月17日

(Various Artists)/Artificial Intelligence (1992) *

(Various Artists)/アーティフィシャル・インテリジェンス

イギリスのインディペンデント・レーベル、ワープ・レコーズの「Artificial Intelligence」シリーズの第1作として1992年にリリースされたコンピレーション(全10曲)。1990年代初めに全盛だったレイヴ/ハードコア・テクノに抗して、クラブで踊るよりも室内で座って聴くのに適したポスト・レイヴ的な「electronic listening music」としてのアンビエント・テクノ/インテリジェント・テクノの嚆矢。ピンク・フロイド(Pink Floyd)等の1970年代のプログレに似た雰囲気を持つ、落ち着いて聴ける精神志向のテクノ。参加アーティストはエイフェックス・トゥイン(Aphex Twin/The Dice Man名義)、B12(Musicology名義)、オウテカ(Autechre/The Dice Man名義)、ザ・ブラックドッグ(The Black Dog/I.A.O名義)、スピーディーJ(Speedy J)、リッチー・ホゥティン(Richie Hawtin/UP!名義)、ジ・オーブ(The Orb)のDrアレックス・パターソン

Artificial Intelligence

2018年05月11日

Yo La Tengo/I Can Hear the Heart Beating as One (1997)

ヨ・ラ・テンゴ/アイ・キャン・ヒア・ザ・ハート・ビーティング・アズ・ワン

1984年にニュージャージー州ホーボーケンにて結成されたアメリカ合衆国のインディーロックバンド、ヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)の8作目のスタジオ録音アルバム。ヨ・ラ・テンゴの最高傑作として広く認められている。フィードバック・ノイズギターとささやくような脱力ヴォーカルをフィーチュアしたシューゲイズ寄りのノイズポップであり、サイケデリック・フォーク風のメロディックでドリーミーなギターポップでもある。非常に聴きやすくて心地良い。「Center of Gravity」はボサノヴァ風。「Spec Bebop」はクラウトロック風の長いインストゥルメンタル曲。「Little Honda」はザ・ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)の曲のカヴァー。「My Little Corner of the World」はアニタ・ブライアント(Anita Bryant)が初録音の曲(リー・ポクリス(Lee Pockriss)作曲)のカヴァー

I Can Hear the Heart Beating as One

2018年05月04日

Herbie Hancock/Sextant (1972) *

1940年生まれのイリノイ州シカゴ出身のジャズ・ピアニスト・作曲家・編曲家、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)の11作目のアルバム(Columbia)。1960年代のブルーノート期と1970年代のポピュラーなファンク期のあいだの、電化マイルスの影響が強い実験的な「エムワンディシ」3部作の最終作。エレクトリック・ピアノ(フェンダー・ローズ)、メロトロン、モーグ・シンセ、ARPシンセを駆使したアヴァンギャルドでアブストラクトなアフロ・ジャズ・ファンク。狂った電子頭脳と一緒に宇宙空間に飛び出したようなコスミックでスペイシーな音。「Rain Dance」はパトリック・グリーソン(Patrick Gleeson)のシンセをベースにした電子音楽寄りのトラック。「Hidden Shadows」はミディアム・テンポの変拍子ファンク。「Hornets」(約20分)は電子音とエフェクト(ファズ、ワウ)を効かせたノイジーなキーボードが暴れまわる、攻撃的で混沌としたゴリゴリのアフロ・ファンク

Sextant

2018年05月03日

(Various Artists)/Machine Soul: An Odyssey Into Electronic Dance Music (2000/1977-1999) *

1970年代後半〜1990年代末のエレクトロニック・ダンス・ミュージックを集めたコンピレーション(Rhino)。CD2枚組、全28曲。日本盤のタイトルは「テクノのレキシ」。D.A.F.やジェフ・ミルズ(Jeff Mills)、ハードフロア(Hardfloor)その他のテクノ/ハウス/ドラムンベース/EBM(エレクトロニック・ボディ・ミュージック)の重要アーティストの曲を欠いており、網羅的なコレクションでもテクノマニアが納得する選曲でもないが、エレクトロニック・ダンス・ミュージックの開祖クラフトワーク(Kraftwerk)の「The Robots」、ジョルジオ・モロダー(Giorgio Moroder)がプロデュースしたドナ・サマー(Donna Summer)のディスコ・ヒット「I Feel Love」、ゲイリー・ニューマン(Gary Numan)のシンセポップ「Cars」、アフリカ・バンバータ&ザ・ソウルソニック・フォース(Afrika Bambaataa & the Soulsonic Force)のエレクトロ曲「Planet Rock」、ニュー・オーダー(New Order)のオルタナティヴ・ダンス・ヒット「Blue Monday」、デリック・メイ(Derrick May)のデトロイト・テクノ・クラシック「Strings of Life」(リズム・イズ・リズム(Rhythim Is Rhythim)名義)、マーズ(M/A/R/R/S)のヒップハウスのヒット曲「Pump Up the Volume」、インナー・シティ(Inner City)のデトロイト・テクノ/ハウスのヒット曲「Big Fun」、ザ・KLF(The KLF)のアシッド・ハウスの定番曲「What Time Is Love?」、ジ・オーブ(The Orb)によるアンビエント・ハウスの先駆「Little Fluffy Clouds」、ザ・シェイメン(The Shamen)のオルタナティヴ・ダンス・ヒット「Move Any Mountain」、L.A.スタイル(L.A. Style)によるレイヴの最初のヒット曲「James Brown Is Dead」、ザ・プロディジー(The Prodigy)のブレイクビーツ・テクノ/レイヴのヒット曲「Charly」他、ヴォーカル入りのポピュラーな有名曲を多数収録しており、一般人にとってはサンプラーとして有用

Machine Soul: An Odyssey Into Electronic Dance Music

2018年04月18日

Steve Reich/Early Works (Double Edge and others, 1986-1987) *

ミニマル・ミュージックの開拓者の一人として知られるアメリカ合衆国の作曲家、スティーヴ・ライヒの初期作品集(Nonesuch)。「漸次的位相変移プロセス」(gradual phase shifting process)の手法により作曲された4作品を収録。「It's Gonna Rain」(1965年)と「Come Out」(1966年)は録音されたヴォイスを素材として使用したテープ音楽で、2つまたはそれ以上の反復パターンを漸次的に変化してゆく位相として扱っている。「Piano Phase」(1967年)は2台のピアノのための曲で、「漸次的位相変移プロセス」の手法をライヴ演奏に適用した最初の試みの一つ。ピアノ演奏は鍵盤楽器のデュオ、ヌリット・ティルズとエドムンド・ニーマン。「Clapping Music」(1972年)は楽器なしで2人のミュージシャンの手拍子のみの曲で、拍のずれによるリズムの変化を扱っている。ミニマル・ミュージックの愛好者におすすめの1枚だが、2つのテープ音楽は非常に実験的で前衛的なので、初心者向けのファースト・チョイスとしてはより音楽的な「Music for 18 Musicians」、「Music for a Large Ensemble」、「Octet」などの方をおすすめします

Early Works