2018年02月19日

Can/Future Days (1973) *

カン/フューチャー・デイズ

1968年に西ドイツのケルンで結成されたドイツの実験的なロックバンド、カン(Can)の5作目のアルバム。日本人ヴォーカリストのダモ鈴木在籍時の最後のアルバム。アンビエント・ミュージック的な要素、凝った音響処理、軽快で小刻みなドラムとアフリカン・パーカッション、ダモ鈴木の繊細なヴォーカルをフィーチュアした、パーカッシヴで心地良いクラウトロック/プログレッシヴ・ロック。シングル曲「Moonshake」はヤキ・リーベツァイトのメトロノーム奏法のドラムを含むポップソング。最後の組曲形式の曲「Bel Air」(約20分)は浮遊感と恍惚感を湛えた名曲

Future Days

2018年02月13日

Diggin' in the Carts: A Collection of Pioneering Japanese Video Game Music (2017/1985-1995)

「ディギン・イン・ザ・カーツ」。1980年代後半〜1990年代前半の日本のヴィデオゲーム・ミュージックを集めたコンピレーション。レッドブル・ミュージック・アカデミーによる同名のドキュメンタリー映像シリーズが発端となって発掘が始まり、イギリスのエレクトロニック・ミュージック・レーベル、Hyperdubからアルバムとして発売された。データ容量とチャンネル数の制限下でデジタル合成によって生み出された、チープだが独特の雰囲気がある黎明期のチップチューン(8ビット/16ビット・ミュージック)が堪能できる。家庭用ゲーム機(ファミコン、スーパーファミコン、PCエンジン、メガドライブ他)、PC(PC-8801、MSX他)、アーケード用のゲームから選出された34曲を収録。純粋に音楽的な観点からコンパイルされているので聴きごたえあり。アーティストはコナミ矩形波倶楽部他。アートワークはアニメ監督の森本晃司

Diggin' in the Carts: A Collection of Pioneering Japanese Video Game Music

2018年02月05日

Guillaume Du Fay/Motets for Ceremonial and Liturgical Occasions, Plainchant for Vespers I (Pomerium, 1995)

デュファイ「祝典と典礼のためのモテトゥス集/第1晩課のための単旋律聖歌」。ルネサンス初期のフランドルの作曲家でブルゴーニュ楽派の中心人物、ギヨーム・デュファイの声楽曲集(Archiv)。モテトゥス4曲と単旋律聖歌1曲を収録。透明感のある清澄な響きと複旋律による和声の調和が美しいモテトゥス(グレゴリオ聖歌の定旋律を含む多声声楽曲)が聴きどころ。特にサンタ・マリア大聖堂の献堂式で演奏された祝典モテトゥス「ばらの花が先ごろ」は、イタリア・ルネサンス文化における記念碑的な作品と目される有名曲。「第1晩課のための単旋律聖歌」(「聖母マリアの祝日のための曲集」より)は、いかにも宗教音楽といった感じの朗誦風の聖歌だが、結尾に美しい多声部(マニフィカトとベネディカムス・ドミノ)を含んでいる。演唱はアメリカの声楽アンサンブル、ポメリウム

祝典と典礼のためのモテトゥス集/第1晩課のための単旋律聖歌

2018年01月30日

Herbie Hancock/Crossings (1972) *

1940年生まれのイリノイ州シカゴ出身のジャズ・ピアニスト・作曲家・編曲家、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)の10作目のアルバム(Warner Bros.)。1960年代のブルーノート期と1970年代のファンク期のあいだの過渡期(「エムワンディシ」期)に、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の「Bitches Brew」(1970年)の強い影響下で録音された実験的なアルバム。エレクトロニックミュージックの作曲家・シンセサイザー奏者のパトリック・グリーソン(Patrick Gleeson)が新メンバーとして参加。アフリカン・パーカッションとエレクトリック・ピアノ(フェンダー・ローズ)、メロトロン、モーグ・シンセサイザーなどの電子楽器をフィーチュアしたスペイシーでサイケデリックな前衛ジャズ/フュージョン。1曲目「Sleeping Giant」は5部構成の長尺曲(24分50秒)で、ファンクグルーヴを含むフュージョン風の演奏。ベニー・モウピン(Bennie Maupin)作曲の後半2曲は現代音楽風のより前衛的な演奏で、深海や宇宙空間のような独特な雰囲気の音風景

Crossings

2018年01月22日

Ramones/Rocket to Russia (1977)

ラモーンズ/ロケット・トゥ・ロシア

1974年にニューヨーク市で結成されたアメリカ合衆国のパンクロック・バンド、ラモーンズ(Ramones)の3作目のスタジオ録音アルバム(全米アルバムチャート49位)。サーフ・ロックやバブルガム・ポップの影響が色濃い、キャッチーでポップ志向のパンクロックの傑作。シンプルでミニマルな音。ハスカー・ドゥ(Hüsker Dü)やグリーン・デイ(Green Day)などのメロディックなポップ・パンクのルーツのような音楽。シングル曲、「Sheena Is a Punk Rocker」(アルバム・ヴァージョン)、「Rockaway Beach」、「Do You Wanna Dance?」収録。「Do You Wanna Dance?」はザ・ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)もカヴァーしたボビー・フリーマン(Bobby Freeman)のヒット曲のカヴァー。2001年にボーナス・トラック5曲を含む拡張版CDが発売されている

Rocket to Russia

2018年01月19日

Beastie Boys/Paul's Boutique (1989) *

ビースティー・ボーイズ/ポールズ・ブティック

1981年にニューヨーク市で結成されたアメリカ合衆国のヒップホップ・グループ、ビースティー・ボーイズ(Beastie Boys)の2作目のスタジオ録音アルバム(全米アルバムチャート14位)。膨大なサンプル音源を使用したファンキーなオルタナティヴ・ラップ/サイケデリック・ヒップホップの傑作。サンプリング・ベースの音楽で知られるプロデューサー・チーム、ザ・ダスト・ブラザーズ(The Dust Brothers)との共同制作。ヴォーカル(ラップ)を除くほぼすべてがサンプル音源のマルチレイヤーで構成されている。サンプル音源はファンク、ヒップホップ、ロックその他の105曲を使用しており、ザ・ビートルズ(The Beatles)、ジェームス・ブラウン(James Brown)、スライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly & the Family Stone)、クール・アンド・ザ・ギャング(Kool & the Gang)、アフリカ・バンバータ(Afrika Bambaataa)、トラブル・ファンク(Trouble Funk)、バーナード・ハーマン(Bernard Herrmann)の「The Murder」(映画「サイコ」のシャワーシーンのテーマ曲)、ジョン・ウィリアムズ(John Williams)の「Main Title (Theme From Jaws)」などを含む。シングル曲、「Hey Ladies」、「Shadrach」収録。日本版はボーナス・トラック2曲収録。2009年に20周年記念のリマスター版が発売されている

Paul's Boutique

2018年01月11日

Common/Like Water for Chocolate (2000)

コモン/ライク・ウォーター・フォー・チョコレート

1972年イリノイ州シカゴ生まれのアメリカ合衆国のヒップホップ・アーティスト/ラッパー/俳優、コモン(Common)の4thスタジオ録音アルバム(全米アルバムチャート16位)。コモンのスムーズなライミングとザ・ルーツ(The Roots)のドラマー、クエストラブ(Questlove)を中心とするネオソウル/オルタナティブ・ヒップホップ志向の音楽集団、ソウルクエリアンズ(Soulquarians)による洗練されたバックトラックをフィーチュアした、ソウル/ジャズ寄りの聴きやすくて心地良いオルタナティブ・ヒップホップ。シングル曲、「The 6th Sense」、「The Light」(ボビー・コールドウェル(Bobby Caldwell)の「Open Your Eyes」をサンプリング)収録

Like Water for Chocolate

2018年01月06日

OHM+: The Early Gurus of Electronic Music: 1948-1980 (various artists, 2005/1948-1980) *

「OHM+: 電子音楽の初期の導師たち」(Ellipsis Arts)。初期の電子音楽の歴史的録音を集めたコンピレーション(3CD + DVD)。2000年に発売されたCD3枚組のボックスセット「OHM: The Early Gurus of Electronic Music: 1948-1980」にDVD(レアな演奏、インタビュー、アニメーション、実験的なヴィデオなど2時間以上を収録)を付加した再発版。クラシカルな電子楽器の音源の他、ミュジック・コンクレート、サウンド・コラージュ、フリーインプロ、ノイズ、ドローン、アンビエントなどを含む様々なスタイルの電子音響音楽が聴ける。クララ・ロックモアのテルミンによるチャイコフスキー「感傷的なワルツ」の演奏は1976年頃の録音。オリヴィエ・メシアンの「Oraison -祈祷-」はオンド・マルトノを使用した曲。ピエール・シェフェールの「鉄道のエチュード」はミュジック・コンクレートの初期の作品で、汽車の音を含むノイズ・コラージュ。ジョン・ケージの「ウィリアムズ・ミックス」はテープ編集による8チャンネルの電子音響作品。エドガー・ヴァレーズの「ポエム・エレクトロニク」は1958年のブリュッセル万博のフィリップス館のために作曲された電子音楽作品。カールハインツ・シュトックハウゼンの「コンタクテ」(6:20の編集版)は電子音テープ、ピアノ、パーカッションのための4チャンネルの電子音響作品。湯浅譲二の「ホワイトノイズのためのプロジェクション・アセンプラスティック」はホワイトノイズの加工による電子音響作品。ヤニス・クセナキスの「ヒビキ・ハナ・マ(響き-花-間)」(4:39の編集版)は、1970年の大阪万博の鉄鋼館のために作曲された、12チャンネルと800のスピーカーのための電子音楽作品。ポピュラーの分野ではホルガー・チューカイ、クラウス・シュルツ、ジョン・ハッセル、ブライアン・イーノなどの曲を収録

OHM+: The Early Gurus of Electronic Music: 1948-1980

2017年12月29日

筒美京平/筒美京平 Hitstory Ultimate Collection 1967〜1997 2013Edition (2013/1967-2011) *

洋楽ポピュラーと日本的な節回しを融合させ、1960年代後半〜1980年代を中心にGS・歌謡曲・アイドル歌謡・Jポップの分野でキャッチーなヒット曲を量産して日本の大衆音楽に多大な影響を与えた作曲家・編曲家、筒美京平のヒット曲集(CD9枚組、全173曲)。1997年に発売されたCD8枚のリマスター版に1999-2011年のヒット曲のディスクを追加した再リリース版。いしだあゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」(1968年)と尾崎紀世彦「また逢う日まで」(1971年)は初期の代表作。西田佐知子「くれないホテル」(1969年)はバート・バカラック(Burt Bacharach)風のアレンジのワルツ。宇野ゆう子「サザエさん」(1969年)はTVアニメシリーズ「サザエさん」のオープニングテーマ。岩崎宏美「センチメンタル」(1975年)はフィリー・ソウル風のアイドル歌謡。太田裕美「木綿のハンカチーフ」(1975年)はカントリー・ポップ風の名曲。岩崎宏美「シンデレラ・ハネムーン」(1978年)はディスコ・サウンドによるアイドル歌謡。ジュディ・オング「魅せられて」(1979年)はポール・モーリア(Paul Mauriat)的なオーケストレーションによるエキゾティックな曲。榊原郁恵「ROBOT」(1980年)はテクノ/シンセポップ風のアイドル歌謡。少年隊「ABC」(1987年)はユーロビート歌謡

筒美京平 Hitstory Ultimate Collection 1967〜1997 2013Edition

2017年12月22日

Rez Infinite Original Soundtrack (2017)

PlayStation 2/ドリームキャスト用の共感覚シューティングゲーム「Rez」(2001年にセガより発売)のVRモード対応のリマスター版としてPlayStation 4/PlayStation VR/Microsoft Windows用に制作された「Rez Infinite」(2016年にEnhance Gamesより発売)のオリジナル・サウンドトラック。ゲーム内の音源ではなく、ゲーム内で使用された楽曲のオリジナル曲のリミックスを収録。2枚組CD。Disc 1(10曲)は2002年に「Rez: Gamer's Guide to...」というタイトルで発売されたオリジナル曲の公式ミックス集と同じもので、ケン・イシイ、オヴァル(Oval)、コールドカット(Coldcut)、アダム・フリーランド(Adam Freeland)他の日本・ドイツ・イギリスのアーティストによる楽曲を収録しており、インテリジェント・テクノ、トランス、ブレイクビーツ、グリッチ、アンビエントの要素を含むテクノのコンピレーション・アルバムとして聴ける。Disc 2(7曲)は、VR版の新ステージ「area X」のためにHydelic(開発元のレゾネアのサウンド担当、石田貴子と武藤昇によるユニット)が制作した、女声ヴォーカル入りの曲を含むエモーショナルでメロディックな新曲を収録

Rez Infinite Original Soundtrack